HOME > 商品のご紹介 > 塩のことをもっと知ろう > 安全な塩の選び方 1/2
塩はとても身近な食品ですが、それだけに、いろんな誤解をされています。中には科学的な根拠のまったくないものや、間違った宣伝がそのまま広まっているものも少なくありません。まずは、正しい情報を知ることが大切です。
色付きの塩はナチュラルなイメージを感じさせます。ただし実際には、ミネラルはすべて無色透明(光りの乱反射で純白にも見える)。塩自体の色とはまったく関係がないことに気をつける必要があります。茶色や灰色は、すべて有機物や鉄分、つまり塩田の泥や釜の錆などに由来するものです。
天日塩とは、天日乾燥させてつくった塩のことで、「原料」ではなく「製法」の名前です。天日乾燥によってミネラル成分が増えたり、バランスが良くなったりすることはありません。ミネラルの量や種類はどんな原料を使うかで決まり、また、精製過程で取り除くことも、逆に添加することもできます。
実は、塩の見た目のイメージは、製法とは単純に一致しません。たとえば原材料として岩塩と書いてあっても、一度水に溶かしてから再結晶化させたものも多く、そうなると、海水からつくった塩と見た目では区別できません。逆に海水からつくった塩にも、岩塩と見間違うほど粒が大きなものがあります。
最近では、輸入塩などににがりを添加した塩が、「ミネラルたっぷり」といったふれこみで販売されています。このような、にがりを添加して付加価値を高めた塩は、日本に特有の商品です。にがり入りの塩は日本ではなんとなくヘルシーなイメージがありますが、ミネラルを補給する手段としては、分量的にあてにできないので注意が必要です。
岩塩というとミネラルの多いイメージがありますが、これも誤解のひとつ。時間をかけて結晶化する特性上、岩塩は純粋な塩化ナトリウムに近いのです。まろやかな口当たりはミネラル分によるものではなく、結晶状態の違いによるもの。粒が大きくなかなか溶けにくいことが、独特の味につながっているのです。
原料に「岩塩」や「天日塩」と書いてあっても、昔ながらの製法とは限りません。もし粒がサイコロ状ならば、それは原料を一旦溶かして塩水にし、煮詰めてつくった塩である証拠です。岩塩や天日塩の本来の製法ならば、けっしてサイコロ状の結晶にはなりません。
※1-3 写真提供:たばこと塩の博物館